出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』ナビゲーションに移動検索に移動
一般国道 | |
---|---|
国道162号 | |
地図 | |
Wikimedia | © OpenStreetMap | |
総延長 | 149.9 km |
実延長 | 126.9 km |
現道 | 126.4 km |
制定年 | 1953年指定(1982年延伸) |
起点 | 京都府京都市右京区 西大路五条交差点(地図) |
主な 経由都市 | 福井県小浜市 |
終点 | 福井県敦賀市 坂の下IC(地図) |
接続する 主な道路 (記法) | 国道9号 国道477号 国道27号 |
■テンプレート(■ノート ■使い方) ■PJ道路 |
オープンストリートマップに国道162号の地図があります。 |

国道162号(こくどう162ごう)は、京都府京都市から福井県小浜市や同県三方上中郡若狭町を経由して同県敦賀市に至る一般国道である。
目次
概要[編集]

国道9号(重複区間)からの分岐
京都府京都市右京区
五条天神川交差点
京都府京都市右京区の市街地より北へ、丹波山地から日本海側の若狭湾に抜けて、リアス式海岸を縫って若狭湾東端に位置する福井県敦賀市に達する延長約150キロメートル (km) の一般国道の路線で、主な通過地は、京都府の笠峠、京都市右京区京北地区、南丹市、堀越峠、福井県大飯郡おおい町名田庄地区、小浜市、三方上中郡若狭町、三方郡美浜町である。起点は、京都市右京区内の西大路五条交差点にあり、ここから五条天神川交差点の国道9号分岐までの東西の直線区間は国道9号との重用区間、また福井県側の若狭町の三方交差点から終点・敦賀市内の国道8号敦賀バイパス坂の下IC間は、国道27号・国道8号との重用区間である。
国道162号のうち、京都市街から小浜までの区間は、かつて若狭湾で獲れた魚介を京都まで運搬する物流ルートだった鯖街道のひとつで、周山街道の別名でよばれている[1][2]。
路線データ[編集]
一般国道の路線を指定する政令[3][注釈 1]に基づく起終点および経過地は次のとおり。
- 起点 : 京都市(右京区、西大路五条交差点=国道9号上、京都市道181号京都環状線交点)
- 終点 : 敦賀市(坂の下IC=国道8号敦賀バイパス交点、国道27号・国道161号起点)
- 重要な経過地 : 京都府北桑田郡京北町[注釈 2]、小浜市、福井県三方郡三方町[注釈 3]
- 総延長 : 149.9 km(福井県 82.5 km、京都府 22.8 km、京都市 44.6 km)重用延長を含む。[4][注釈 4]
- 重用延長 : 23.0 km(福井県 21.6 km、京都府 - km、京都市 1.4 km)[4][注釈 4]
- 実延長 : 126.9 km(福井県 61.6 km、京都府 22.8 km、京都市 43.1 km)[4][注釈 4]
- 指定区間 : 国道9号、国道27号、国道8号と重複する区間[5]
歴史[編集]
- 1953年(昭和28年)5月18日二級国道162号京都小浜線(京都市 - 小浜市)として指定施行[6]。
- 1965年(昭和40年)4月1日道路法改正により一級・二級区分が廃止されて一般国道162号として指定施行[3]。
- 1970年(昭和45年)4月1日京都市右京区西大路五条交差点 - 福王子交差点の経路を天神川通経由に変更。国道の単独区間であった西大路一条交差点 - 仁和寺前交差点は前日に京都府一般地方道1号銀閣寺宇多野線の一部として編入される[7]。
- 1982年(昭和57年)4月1日終点側を延伸し、一般国道162号(京都市 - 敦賀市)として指定施行[8]。
路線状況[編集]
京都市中心部西大路五条交差点から西へ向かい、天神川五条交差点に至る(国道9号との重複区間)。その後は北に進路を変え、京都市右京区を貫いていく。京福嵐山線(嵐電)と平面交差したあと市営地下鉄太秦天神川駅のわきを通り、福王子交差点に至る。周山街道

中川トンネル付近
京都府京都市右京区梅ケ畑亀石町京都市右京区・福王子から小浜市街に至るまでの区間は別名周山街道とも呼ばれ、ほぼ片側一車線が確保されている山間道路である。福王子交差点では京都府道29号宇多野嵐山山田線と交差する。京都市街からたどって行くと、最初の峠に御経坂峠(みきょうざかとうげ)を超えて高雄へ至るが、この区間は急カーブが連続する。高雄を過ぎると中川の集落をバイパスする中川トンネルを抜け、山間の集落を通過しながら笠峠を超える笠トンネルに差し掛かる。この笠峠は京都市と旧京北町の境となっていた。笠トンネルを抜け、さらに進行すると、かつて国道162号の難所の一つと言われた栗尾峠は急坂急カーブが連続したが、峠の下を通過する京北トンネルが2013年12月21日完成した[9]。この栗尾峠を越えると周山街道の名の由来である京北周山地区へ到着する。2007年7月には、周山の集落を横切っていた国道に並行して新たにバイパスが開通した。ここから深見峠の入り口となる京北上弓削までは平坦な直線路が続く。深見峠に差し掛かると峠道は制限速度50 km/hの緩やかなワインディングが続き、深見トンネルを抜ける。深見峠は京都市と南丹市の境界となっている。ここから南丹市美山町深見の集落を過ぎ、由良川にかかる橋(通称:赤橋)を越えると道の駅美山ふれあい広場に到着する。美山ふれあい広場を過ぎると、国道162号は再びヘアピンカーブが連続する九鬼ヶ坂(くきがさか)を超え、福井県に向けて北へと伸びる。堀越峠を堀越トンネルで超え福井県おおい町に入ると、スノーシェルターが設置されている急峻な下り坂が続き、道の駅名田庄に到着する。ここからは国道27号に至るまで開放的な平坦な田舎道が続き、小浜市街へ着く。小浜市街から海沿いへ

奈胡崎トンネル付近
福井県小浜市矢代小浜市阿納尻以東は若狭湾に沿う区間が多い。この区間は長年にわたり、離合が困難であったりセンターラインが無い(書かれていない)区間が多く、大型車の通行を禁止するなどの措置がとられる悪路であったが、2009年7月17日に奈胡崎トンネル(同市矢代 - 同市田烏)が供用[10]され、ほぼ全区間において大型車の通行が可能となった。
バイパス[編集]
栗尾バイパス

栗尾バイパスの現道拡幅予定部分
京都府京都市右京区京北周山町栗尾バイパス(くりおバイパス)は、京都市右京区京北細野町から同区京北周山町に至る計画延長4,300mのバイパス道路である[11]。笠トンネルと後述の周山道路の間に位置している[12]。山間部の栗尾峠を超える区間であることから、冬期は積雪や路面凍結が発生するほか、急カーブが連続する厳しい線形となっていることから交通事故が多発していた[11]が、1993年(平成5年)より京都府が代替ルートの調査を実施した結果、地形の制約からトンネルで同区間を通過させる計画として延長2,313 mのトンネルを掘削した[11][13]。なお、事業が開始された当初は全区間が北桑田郡京北町に所属し、京都府が事業を実施していたが、京北町の京都市への編入合併に伴い、以降は京都市による「合併事業」のひとつとして施工されている[11][14]。トンネルは京北開閉所の地下を避け、湾曲した線形を描いている。東日本大震災の発生に伴う京都市の道路整備事業見直しにおいては既存の橋梁の耐震補強や修繕を優先する方針が出されたが、この方針により隣接する改良が計画されていた「清風トンネル」から周山側の工事未着手区間の事業が2012年から4年間見送られることとなった[13]。一方、事業続行区間の供用開始は2013年度(平成25年度)を見込んでいた[13]が、同年12月21日に「京北トンネル」の名称で供用を開始することが決定した[14]。旧道(トンネル供用前までの現道)については、京都市中心部側は、関西電力の京北開閉所へのアクセス道路として残されており、京北地域(旧 京北町)側の2.5 kmについては車両通行止めとし、自転車歩行者専用道路として整備されている[14]。清風洞の改良は西側に新たなトンネル(仮称第二トンネル)を設置することで2016年の再評価後も継続中[15]となっているが、京北トンネルと栗尾トンネル(清風洞)の間の拡幅が完了した時点で京都市のページでは完成済の事業とされている[16]など停止している。周山道路周山道路(しゅうざんどうろ)は、京都市右京区京北周山町に建設された延長2,000 mのバイパス道路である。周山バイパスとも表記される[17]。
1991年(平成3年)に事業着手し[17]、1998年度(平成10年度)に130 m[18]、2002年度(平成14年度)に530 mをそれぞれ部分供用し[18]、2007年(平成19年)7月に残区間の供用をもって完成供用された[17]。
通称[編集]
道路施設[編集]
道の駅[編集]
その他[編集]
- 廃村八丁 - 京都市右京区京北にあるかつて存在した廃村。
- 京都丹波高原国定公園ビジターセンター - 道の駅美山ふれあい広場に併設(南丹市美山町安掛)。
地理[編集]

京都府南丹市美山町深見
(2014年5月)

福井県三方上中郡若狭町田井
(2014年5月)
周山街道の大部分の区間は多数のワインディングと、清滝川や弓削川、棚野川、南川などの河川と絡み合うように縫って道路が走ることから景観の優れる橋も多い[1][2]。峠の頂上付近はトンネルで、深い森林の中を道路が走る[1][2]。
通過する自治体[編集]
交差する道路[編集]
- 国道9号:162号起点の京都市右京区・西大路五条交差点 - 天神川五条交差点で重複
- 国道477号:京都市右京区京北周山町
- 国道27号:小浜市・湯岡橋東詰交差点 - 湯岡交差点で重複
- 国道27号:三方上中郡若狭町・三方交差点 - 162号終点の敦賀市・坂の下ICで重複
- 国道8号・国道161号:敦賀市・岡山1丁目交差点 - 坂の下ICで重複
主な峠[編集]
接続路線図[編集]
接続路線図[表示]
脚注[編集]
[ヘルプ] |
注釈[編集]
- ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
- ^ 2005年4月1日に京都市右京区へ編入。
- ^ 2005年3月30日に2町が合併して三方上中郡若狭町発足。
- ^ a b c d e f 2015年4月1日現在
出典[編集]
- ^ a b c 小川、栗栖、田宮 2016, p. 94.
- ^ a b c 中村純一 編 2017, p. 94.
- ^ a b “一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2012年10月24日閲覧。
- ^ a b c d e f “表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況 (PDF)”. 道路統計年報2016. 国土交通省道路局. p. 9. 2017年3月30日閲覧。
- ^ “一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2012年10月24日閲覧。
- ^ ウィキソースには、二級国道の路線を指定する政令(昭和28年5月18日政令第96号)の原文があります。
- ^ “府道路線の認定(昭和45年3月31日京都府告示第172号)”, 京都府公報 第4413号: 216, (1970年3月31日)
- ^ “一般国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(昭和56年4月30日政令第153号)”. 法庫. 2013年2月17日閲覧。
- ^ 京都新聞(2013年12月22日朝刊24面)
- ^ “一般国道162号(阿納尻〜田烏バイパス)の供用開始について” (プレスリリース), 福井県, (2009年7月1日) 2010年4月26日閲覧。
- ^ a b c d “一般国道162号栗尾峠(栗尾バイパス)の整備”. 京都市建設局事業推進室. 2013年2月17日閲覧。
- ^ “箇所図 (PDF)”. 京都市建設局事業推進室. 2013年2月17日閲覧。
- ^ a b c “栗尾通信 第14号 (PDF)”. 京都市建設局事業推進室. 2013年2月17日閲覧。
- ^ a b c “「京北トンネル」12月21日に開通”. 京都新聞. (2013年10月30日). オリジナルの2013年10月30日時点によるアーカイブ。 2013年10月30日閲覧。
- ^ 平成28年度公共事業再評価対象事業調書 京都市
- ^ 一般国道162号栗尾峠(栗尾バイパス)の整備
- ^ a b c “一般国道162号周山道路パンフレット (PDF)”. 京都市建設局事業推進室. pp. 2-3. 2013年2月17日閲覧。
- ^ a b “一般国道162号周山道路パンフレット (PDF)”. 京都市建設局事業推進室. pp. 1,4. 2013年2月17日閲覧。
参考文献[編集]
- 小川秀夫、栗栖国安、田宮徹「周山街道」『ニッポン絶景ロード100』中村純一 編、枻出版社〈エイムック〉、2016年4月10日、94頁。ISBN 978-4-7779-3980-0。
- 「周山街道」『日本の絶景道100選』中村純一 編、枻出版社〈エイムック〉、2017年4月10日、94頁。ISBN 978-4-7779-4572-6。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
ウィキメディア・コモンズには、国道162号に関連するカテゴリがあります。 |
- 国土交通省近畿地方整備局
- 京都市
- 西部土木事務所:右京区の指定区間外を管理
- 北部土木事務所:北区の区間を管理
- 京北・左京山間部土木事務所:右京区京北町の区間を管理
- 京都府
- 南丹広域振興局南丹土木事務所:南丹市の区間を管理
- 福井県
- 嶺南振興局小浜土木事務所:大飯郡おおい町 - 小浜市の指定区間外を管理
- 嶺南振興局敦賀土木事務所:三方上中郡若狭町の指定区間外を管理
この項目は、道路に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:道路/プロジェクト:道の駅/Portal:道路)。 |